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色彩模様いしのまき <茶> 石巻焼きそば(石巻市三ツ股)

せいろで蒸されて茶色く色づいた麺(手前)と蒸す前の麺(奥)。出荷後は市内のスーパーや食堂、給食などで提供される。工場は東日本大震災で被災した。岩手県の製麺所から支援で贈られた麺の容器を今も使っている

<だし香る古里自慢の味>

 薄いクリーム色の麺がせいろで蒸し上がると、蒸気をまとい茶色に変化した。石巻市三ツ股の島金商店は、年間約50万食の石巻焼きそばを製造する。

 麺に含まれる「かんすい」が熱に反応して色づく。一般的なソース焼きそばと違って調理前から茶色い。調理時にだしで味を付け、食べる時に好みでソースをかける。発祥時期は諸説あり、1950年ごろとも昭和初期とも。ある製麺所の創始者が焼いた時にベタつかない麺を求め試行錯誤し、独特の二度蒸し製法を編み出したとする説もある。

 同社の島英人社長(59)は「だしの違いなどいろんなバリエーションで食べられてきた石巻のソウルフード。時々思い出して食べてもらいたい」と話す。

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 色彩模様いしのまきは今回で終了します。保科暁史、及川智子が担当しました。

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